事業再生への「道」

デルタ経営コンサルティング
経営戦略の鍵

成功は失敗の元


事業再生の現場に立つと、よく見受けられるのが「かつて大きく成功したが故に今は逆に窮境に至っている」という矛盾した現象です。
相手が企業経営者でなくとも、昔話や過去の栄光ばかり話す人とはなかなか良好なコミュニケーションがとりにくいものです。時間軸が過去を向いてしまうのは脳の老化現象なのか、もしくは死から目をそらすための機構なのかは分かりかねますが、こと企業経営に関してはかなり危険な兆候です。
実際、「過剰適応」という言葉が適切なのかもしれませんが、成功した企業というのはある時期・条件の外部環境の下で強力にキャッシュフローを稼ぎ出すよう特化しています。だからこそ、外部環境やパラダイムが変わってしまうと様々な足枷となり、黒字を出すことが難しくなるという構造的な問題を惹き起こします。
逆に、大きく成功することを目指さず、常に外部環境に適応する戦略をとるという中庸戦略をとれば良いのかというと、おそらくそういった企業は埋もれていくだけで、逆に大きな変化に耐えうるまでの内部留保は確保できないように思われます。
以上の考察からは、「まずは頭に汗をかいて、大きく成功しよう。大きく成功したら、そのビジネスモデルの欠点について深く反省し、改良を行いながら延命させ、そのビジネスモデルが有効な間に次のビジネスモデルを確実に育てよう」ということが言えます。言うのは簡単ですが実行するのは非常に難しい内容です。安心・安住したがるのが人間の性なのでしょうから…。トップや上司が昔話ばかりする会社は相当ヤバイ?

キーワード>成功 失敗 老害 頑迷 企業の死 変化

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