経営戦略の鍵
ガバナンスは誰がため2016年08月04日「ガバナンス」という言葉が様々な定義で広く使われるようになってきましたが、ここではやや緩めに「経営の規範を守る枠組み」としてみます。 言い換えれば、「あるべき経営姿勢・方針から逸脱しない仕組み」ということですが、案外ガバナンスを有効に稼働させることは企業規模を問わず難しいものです。 中小企業(オーナー企業)では、オーナー経営者が自分の考え方や振る舞いを客観視できるかにかかっていて、他でも書いたように反対意見や自分の意見を言ってくれるNo.2がいないと、ますます経営者1人の人柄、理性に依存することになります。また、どれほど人格的に優れた経営者であっても老いや成功の連続の中で頭が固くなり、新しいこと、身を切ることなどを無意識に回避するようになってしまいます。 大手企業でかつオーナー企業ではない場合(例えば上場企業)においては、別の問題があり、任期が限られた経営者がどれほど会社と自分を一体と考えられるかがポイントになります。 近年はあるべき姿から逸脱した大手企業について株主代表訴訟等により経営陣の責任を問うケースが増えてはいますが、企業規模を問わず、経営者が責任感をどれだけ持って日々を過ごしているのかということに尽きると思います。 反対意見を言う人物がいない方が毎日楽に過ごせる、という考え方は本来経営者として失格であり、向いていないと言わざるを得ません。 正しい判断をするためには、合理的な意見であれば反対意見にこそ耳を貸す必要があります。また、口うるさいやつに言われたくないなあ・・・という低レベルな意識であっても、結果的に襟を正すことができるのであれば、経営者自身を守ることにもなります。 ガバナンスはステイクホルダー(株主・債権者・従業員・取引先・・・)にとって大事なポイントであり、企業の永続性の観点からも重要なポイントですが、結局は経営者本人にとって最も必要な仕組みだと言えます。 キーワード>ガバナンス ワンマン 諫言 反対意見 |