経営戦略の鍵
数字で語るということ2016年04月01日「銀行員は数字のことしか言わない」などと憤慨される経営者さんに出会うことがあります。 確かにそういった一面はあり、例えば新規融資の相談などにおいて「今期の決算を見てから考えます」といった回答が返されることは多々あります。 一方、残念ながら経営に関する数字が腹落ちしていない経営者さんも多く見られます。日々どれほど忙しいのか存じ上げませんが、売上・利益・手元資金などは短いサイクルで把握しておかないと怖くないでしょうか? 数字で全てを語るべき、全てを定量化すべき、とまでは申し上げませんが、例えば部門別に損益を把握するとか、原価計算を精緻にやってみるとか、事業計画を細部の積み上げで作ってみるとか、ひと手間・ふた手間かけることで実態が見え、気づきがあるのは間違いありません。 弊社が関与させて頂く案件はあいにく業況が厳しくなってからご相談を頂くケースが大半ですが、営業赤字になっておられる会社さんでは特に「どの部門がなぜ赤字なのか」や「どういった手を入れればどういった結果につながり、売上・コストがどうなる」といった分析・仮説検討がなされていないことが多いように見受けられます。 「なぜこの赤字事業を続けるのですか?」という問いに合理的な答えがなく、そのくせその赤字事業が聖域化しているという構造は、「まず数字で語る」という習慣がないことから生まれているのかもしれません。 もし少しでも思い当たる節がおありでしたら、一度ご自身の会社の決算書を素朴に観察してみてください。素朴に考えると不思議なことが沢山見えてくると思いますよ。 キーワード>管理会計 計測 指標 KPI |