事業再生への「道」

デルタ経営コンサルティング
事業再生のポイント

事業再生は誰のためか


事業再生は誰のために進めるのか?と疑問に思うことはありませんか?
最近、「今までお世話になってきた銀行さんに元本返済猶予をお願いするのが、信義則に反するようで非常に辛い」という話を聞き、考えさせられました。元銀行員としては泣ける話ではありますが、ちょっと待って下さい…。
民事再生を申し立てられる状態(弁済不能のおそれ、債務超過…)にある企業さんは、もはや株主のものとは言えず、ましてや経営者のものでもない、というのが真実です。実は、法的整理に入れば企業は債権者の皆様へ弁済するために存在するという位置づけになるので、その一歩手前で私的整理が不可避な状況に陥った企業についても、同様に債権者のために存在しているとも言えます。
つまり、元本返済の猶予をお願いするのも、時によっては利払いの停止さえお願いするのも、株主や経営者のためではなく、債権者にとって経済合理性があるシナリオを構築し、実行するための準備の一貫と言えます。そこを勘違いして、単に資金繰りが厳しいから自分達のためだけに返済猶予をお願いしているのだ、と捉えてしまうと、極めて背徳的な行為に思えてしまいます。
ここの所の気持ちの切り替えは簡単にはいかないものですが、オーバーローン状態に陥ってしまった企業さんでは、ある意味堂々と「事業維持のため=債権者のため」と開き直る一方、自らを半ば公的な存在と意識して、特に経営者は多額の報酬を得るなど経営資源を貪ることなく、謙虚に、誰に見られても恥ずかしくなく振舞うようつとめるべきです。考えがそこまで至れば、ばら色でない現状を認識し、何が事業にとってベストか、それが債権者に支持されるか、ということを誤らずに決断していけると思います。実際にはここまで自らを客観的にとらえることは難しいのですが…。

キーワード>事業再生 経営者 債務者 債権者 利害

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