事業再生への「道」

デルタ経営コンサルティング
事業再生のポイント

悲観的に考え、備える


職業柄、私には経営者の方に最悪シナリオをご説明する機会が数多くあります。勿論、そういった場面では最悪シナリオに備えた準備・方策を合わせてご提案いたします。
過去の経験や自分の銀行員としての体験と照らし合わせ、銀行が厳しく攻め始める予兆や銀行が態度を翻す要因などが見られた場合、経営者の方にはそのような「予言」を行うのですが、この話の受け止め方によって経営者の末路が透けて見える、と思っています。
「悲観的に考えてそれに備える事が有効だ」ということについては、大半の経営者の方から理解を得られるのですが、それが我が身に降りかかっていることについて本当に理解を得られるケースは少ないです。せいぜいが「分かったフリをしている」段階です。
そのため、銀行が態度を硬化させ、予定していた調達ができなくなったりした時に急に慌てることになります。
これで、経営者としての務めを果たしていると言えるでしょうか。
企業は死すべき運命にあり、銀行との関係は放置すると悪化するものです。つまり、悲観的に考えるぐらいが丁度良く、準備や対策は「やりすぎる」ぐらいが丁度良いものです。
実際、私が「半年〜1年ぐらいで最初の山場が来るかな」と見ていたある案件で、不幸な偶然から銀行の態度硬化が予想以上に早まり、経営者の方が慌てた、というケースがあります。私が提案書にそういったシナリオを示したのは2ヶ月前なので、あの段階でもっと危機感を持って行動して頂いていたら・・・と思わないでもありません。一方、事業再生に関しては追い込まれてからでないと物事が進まない、という側面もあります。
私はいつも、「ちょっと気が早いかもしれないが、現段階で是非とも悲観的なシナリオをお伝えしたい。でも、真の理解を得られることはないんだろうな・・・」という複雑な心境にあります。時間軸は突然縮むものです。その時になって慌てないためにも、布石を着々と打つ、そういった経営者でありたいものです。

キーワード>準備 用意 心構え 悲観 厳しい 時間軸 加速

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